「はなまき荘」閉所のご挨拶
昭和49年の開所以来、地域の高齢者福祉の一端を担ってまいりました花巻市養護老人ホームはなまき荘は、本年度末をもちましてその歴史に幕を下ろすこととなりました。
51年という長きにわたり多くの方々に支えられながら歩んでこられたことに、深い感謝の念を抱いております。閉園の決断は、来年度以降の指定管理制度の更新の有無について花巻市ご当局と慎重に協議を重ね、私どもにとりましても大変辛く、重い決断でございました。
社会の変化とともに、高齢者福祉の在り方も地域包括ケアの推進や在宅支援の充実が進む一方で、多重債務・虐待被害者・精神疾患などさまざまケースを抱え入所に至る背景もあり、なおも養護老人ホームのような「生活支援を必要とする方々の居場所」は、今後も確実に必要とされると確信しております。その必要性を、私たちは現場での日々の営みを通じて痛感してまいりました。制度の狭間にある方々にも、誰もが安心して暮らせる居場所がこれからも守られる社会であることを願い、あらためて宮澤賢治が『農民芸術概論綱要』に記した 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。自我の意識は個人から集団・社会・宇宙へと次第に進化する」 という思想に、深い示唆を感じております。
これまで当施設運営にかかわり、ご支援・ご協力いただいた全ての皆様に心より厚く御礼申し上げます。
皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
花巻市養護老人ホームはなまき荘 施設長 伊藤 美智子


